『冬バテ』の原因と症状 ~解消のための5つの対策

冬バテの原因と症状、解消のための5つの対策

最近、徐々に耳にするようになってきた『冬バテ』。

主な症状は、身体がだるい頭痛肩こり冷え性寝つきが悪い胃腸の調子が悪いなど、『夏バテ』とも通じるところがあります。

『夏バテ』は主に、外の暑さとクーラーなどとの温度差に身体がついていけなくなって、自律神経の機能が低下することで起こる症状ですが、では『冬バテ』はどのように起きるのでしょうか?

寒さとストレスが原因の『冬バテ』

夏バテと冬バテの違い

『冬バテ』の原因は、もちろん寒さです。

寒さで身体の筋肉や神経が緊張した状態がつづくと、常に心と体が休むことができません。そうすると、自律神経の働きに関係している「交感神経」の働きが高まってしまい、緊張状態をキープしてしまいます。

また年末年始は忘年会に新年会と、楽しいイベントで飲食の機会も多く、内臓にかかる負担もいつも以上。

身体を活動モードにさせる交感神経ばかりを働かせ、休息モードの副交感神経を働かせる機会を失わせていくことが『冬バテ』の原因になります。

また、暖房の効いた冬の室内はよく乾燥し、体内の水分が失われていきます。もともと、冬は湿度も低くなりますので、肌の乾燥を感じる方も多くなります。

そして、冬は夏に比べて汗をかかないので、喉もあまり渇きません。そのため、水分補給を控えがちになります。

水分補給が減ると尿や汗の量も減り、体内の老廃物などが排泄しにくくなり、体内の水分バランスが崩れたり新陳代謝の働きが落ちてしまい、そのことが『冬バテ』の症状が起きる一因となってしまいます。

上手な水分補給のコツとは?

『冬バテ』の症状

夏バテとよく似た症状がありますが、睡眠に関わるものが多いのが『冬バテ』症状の特徴です。

  • たくさん睡眠時間をとったのに疲れが体に残っている
  • 寝つきが悪くなる、不眠、目が覚める
  • 頭痛
  • 肩こり
  • 体を重く感じ、すぐにイライラしてしまう
  • 食欲がなくなる
  • 血行不良
  • 免疫力低下によるインフルエンザや風邪などの感染症の発症

また、寒さなどが原因で、身体を「活動モード」にする交感神経の働きばかりが高まって「休息モード」にする副交感神経の働きが悪くなると、小腸や大腸の働きが低下し、便秘などの症状が出ることもあります。

身体が「休息モード」にうまく切り替わらないことで、なかなかストレスが解消さずに、原因不明の便秘や下痢を繰り返すこともあります。

程度がひどければ、自律神経失調症に陥ってしまっている可能性もあります。

『冬バテ』対策は、まず温めること

『冬バテ』の症状は、まず身体が冷えてしまうことから始まります。

冷えると、身体はまず熱を逃がさないように交感神経を緊張させて、全身の血管を収縮させます。その状況が続くと、寒さから身を守るために、いつも交感神経ばかりが働いて、心身をリラックスさせる副交感神経が働きにくい状態になりやすいのです。

特に、冬は寒さで体を動かすのがおっくうになりがちです。ところが、筋肉は動かさないとどんどん衰えていき、体が冷えやすくなっていっているのです。

ですから、運動不足は『冬バテ』を招きやすくなるのです。

また、太陽の光を浴びている時間が少なければ、自律神経と関わる体内時計のリズムに影響することもあります。そうなると、心身の疲れはますます取れなくなってしまいます。

冬バテは春が来ても解消しない?

『冬バテ』は春が来ても改善しないことがある?

『冬バテ』になってしまっても、春が来て暖かくなれば症状は自然に改善する、と思いがちですが、残念ながらそうならない場合があるので要注意です。

秋は、冬の寒さに向かって身体自体が休もうとしますから、夏バテを引きずっていても、やがて回復します。

ところが春先の身体は暖かさに合せて活動が活発になり、身体自体が休もうとしないため、冬の間にたまってしまった疲れがなかなか取れません。

ですから、春は身体の働きが活発になろうとするのに、気力と体力がついていけない状態になりやすく、自律神経の働きがますます不安定になってしまうことがあるのです。

春先に、自律神経失調症などの不定愁訴に悩む方が増えてくるのもこのためです。

ですから『冬バテ』の症状を感じたら、そのままにせず、しっかりと身体と神経を休めることが重要なのです。

『冬バテ』解消のための5つの対策

『冬バテ』は、身体を「活動モード」にする交感神経ばかりが働き、「休息モード」にする副交感神経の働きが低下することで起きます。

そこで、『冬バテ』の症状を解消するためには副交感神経の働きを高めてあげることが重要になります。

そのための5つの対策をまとめました。

1/5 身体を温める

毎日できる対策としては、やはり入浴38~40℃のお風呂にゆっくりとつかってください。身体がじんわりと温まることで、副交感神経の働きが高まります。

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2/5 急に体を冷やさない

急に身体を冷やすと、熱を逃がさないようにと交感神経が一気に緊張してしまいます。近場でも屋外に出る際には、厚着をしてマフラーや手袋をするように心がけてください

3/5 室内でできる運動を

スクワットや太極拳など、ゆっくりしたペースでできる運動を続けると、副交感神経の働きが高まります。また、筋肉を働かせることで身体が冷えにくくなります。

『ゆっくりした運動』のやり方と効果を詳しく見る

4/5 食事はバランスよく・水分補給も適切に

1日3食、バランスのよいう食事が基本です。また、ストレスが増えると交感神経ばかりが高まり、身体の中の活性酸素を増やしてしまいますので、ビタミンA・C・Eや、お茶のカテキンゴマのセサミンなど抗酸化成分を幅広く補う工夫も有効です。

また、新陳代謝がよく働くように、こまめな水分補給も大切です。基本は「ノドがかわく前に飲む」ことが有効です。

1回に飲む量はそんなに多くなくても大丈夫ですので、こまめに水分補給するようにしましょう。

上手な水分補給のコツとは?

5/5 呼吸と姿勢を意識する

呼吸と姿勢は、自律神経の状態を知る鏡と言われています。

自律神経が緊張している時は、自然に呼吸は浅くなり、姿勢も前かがみの猫背気味になりがちです。意識して胸を広げて深呼吸することを心掛けることで、心にゆとりが生まれます。

ゆっくりと息を吐き、身体のリズムに合った呼吸をするように心がけてみてください。自然と背中も伸びて、姿勢よくなってきます。

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